多国籍企業が、その固有の理念や戦略の下に海外でのオペレーションを息長く継続するためには、現地での社会・経済環境に的確に反応し、それに適合するような経営を行う必要がある。同時に、その経営活動は、世界本社を中心としながらも各地域本社や子会社の自律性を保ち、相互に連携しながら、グループ全体として技術・技能・知識・ノウハウの蓄積を伴い、競争の優位性を保持する必要がある。 当面のHRM(人的資源管理)の課題は、世界本社ならびに現地法人において、本国籍人材は言うに及ばず現地国籍人材、第三国籍人材など多国籍からなる優秀人材の育成・確保そして活用に成功することである。しかもそれらの活動やシステムが、スタッフの高いモラールを維持しながら経営成果に結実してはじめて、多国籍企業の最終的目的が達成されることになる。果たして日本企業は現在、どのような段階にあり、どのような課題に直面しているのだろうか。 本研究所では、産官学が連携し切磋琢磨しあいながら、日本企業が「トランスナショナル型企業」へと進展するに当たり、どのような課題を抱え、どのようなHRM施策や環境を必要としているかなどという点を多面的に検討し、その中で適切な対策を模索し、提案していく予定である。 関係各位のご協力・ご支援を心からお願い申し上げる次第である。 |
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